お墓のいろは

樹木葬の【種類】は何がある?費用の内訳と併せて解説いたします
・樹木葬は埋葬の形態により、大きく合祀型と集合型、個別型に大別されます。
・墓石を用いる旧来の埋葬方法に比べて費用が抑えやすいが、予算を抑えるための工夫ポイントを纏めました。
全国で樹木葬が注目されています。一言で樹木葬といっても様々な種類があり、また費用も数万円から数十万円まで様々です。樹木葬にはどのような種類があり、費用がいくらかかるのか内訳と併せて解説いたします。
目次
樹木葬の種類
樹木葬で埋葬できる霊園は増加していますが、霊園によって様々なタイプに分かれています。
公園型
都市型霊園や寺院のなかに設けられた樹木葬の形態です。大きな公園のなかに各自の埋葬スペースが置かれているところも多いです。大きな桜の木や栗の木がシンボルツリーとしてそびえているところもあり、統一感も感じられます。樹木葬のなかで、もっとも多いのがこの公園型です。
公園型のなかには、カロート(納骨スペース)付近を華やかな花で覆ったガーデニング型の樹木葬も注目されています。シンボルツリーが中心に配置されているほかに、少し小さめのツリーがカロートごとに設けられている霊園もあり、旧来の墓石の役割を担っているような印象を持ちます。自然が好きだった方、庭にいることが好きだった故人にお勧めの樹木葬です。
庭園型
庭園型の樹木葬は、限られたスペースにシンボルツリーや花木を植えるタイプの樹木葬です。霊園内や寺院内の一角が庭園型の樹木葬になっている場所が多く、限られたスペースの中でも自然を感じることができる特徴を持っています。
また、公園型の樹木葬と比較するとより整理された区画が多く、庭園と呼ばれるにふさわしい雰囲気を感じることができるでしょう。
里山型
公園型や庭園型の樹木葬が比較的都市部に多く存在しているのに対し、里山型は山林などの広大な土地の中にあることが一般的です。そのため、区画あたりの面積が広い樹木葬が多く、より「自然に還る」という実感を強く感じることができる樹木葬の形態です。
また反対に、「何もない」ところに設置されているタイプがあるのも里山型の特徴です。寺院や霊園が管理する里山に墓標だけ設置されているタイプや、自然に生えている木の下など。「自然に還る」という視点では、もっとも本来の樹木葬に近いタイプといえるでしょう。加工範囲が小さいため、樹木葬のなかでもっとも費用を抑えられるという側面もあります。
樹木葬の費用内訳
樹木葬にかかる費用の内訳とその相場は以下の通りです。
永代使用料・埋葬料
永代使用料とは、墓地を利用するための料金です。別途遺骨を埋葬するための土地やスペースを確保する費用が必要になる場合もありますが、骨壺に入れて合祀する形は数万円から20万円前後が相場です。個別にスペースを確保する場合や、家族や友人などと複数人の埋葬の場合は数十万円が相場となっており、埋葬の形態によって使用料は変わります。
永代供養料
永代供養とは、遺族の方に代わって霊園や寺院の管理者が遺骨の管理や供養を行ってくれることを指します。永代供養料には遺骨の管理費用や納骨・法要の費用が含まれており、その相場は5万円〜30万円とされています。
彫刻料・銘板料
一般のお墓であれば墓石に家名を刻むことが多いですが、樹木葬の場合は故人の眠る場所を示すためにプレートに名前を掘ることが一般的です。また、樹木葬はガーデニング等洋風なモデルが多いので、戒名よりも個人名が多い傾向のようです。
費用の相場は5万円〜10万円とされています。
管理費用
霊園やお寺の設備管理や運営のための費用です。霊園やお寺の施設・設備があり、維持するにはお金がかかります。私たちが安心・快適に利用し続けるために、毎年の管理費を支払います。墓所・お墓によって、初回のみ・毎年・一定期間毎などさまざまですので、事前に確認をしましょう。
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樹木葬の埋葬方法別費用相場
樹木葬は埋葬の形態により、大きく合祀型と集合型、個別型に大別されます。それぞれ埋葬方法や費用が大きく異なるため、生前の好みや遺された家族の経済状況によって判断しましょう。
合祀型の費用相場
合祀型は他の遺骨とまとめて埋葬する方法です。一定のスペースに骨壺ごとに入れられ、サクラやツツジの木などシンボルツリーが設けられているところも多いです。樹木葬の場合、旧来のお墓になるような墓石があることは少なく、シンボルツリーは代替的な存在ともいえるでしょう。
多くの遺骨をまとめて埋葬するため、樹木葬のなかでも最も費用が抑えられています。費用相場は5万円から15万円前後です。費用を抑えたい場合にはお勧めの方法です。
個別埋葬型の費用相場
合祀型に対して個別のスペースを設ける埋葬方法が個別型です。お参りに来た家族にとっては故人がいる場所を明確に認識できるため、頻繁にお参りに来る家族にとってはとても好評です。霊園によってはお供え物をすることも許容されています。
故人ひとりを埋葬することも可能ですし、家族や夫婦、生前仲の良かった友人と一緒の区画に埋葬することも可能です。個別に区分けするため樹木葬のなかで費用はもっとも高く設定されており、相場は50万円から80万円ほどです。
共同埋葬型の費用相場
共同埋葬型は合祀型にあるようなシンボルツリーの周辺に個別のカロートが設けられます。個別のスペースが守られお参りがしやすい一方で、個別埋葬型よりも費用を抑えられる傾向にあります。費用相場は20万円から50万円ほどです。
樹木葬の予算を抑えるためのポイント
墓石を用いる旧来の埋葬方法に比べて費用が抑えやすいとはいえ、一時的に大きな負担になってしまう事は避けられません。予算を抑えるために工夫したいポイントは、どのようなものがあるのでしょうか。
納骨する人数を絞る
樹木葬は一般のお墓とは異なり、埋葬する人数分の費用が発生してしまいます。そのため、納骨する人数を絞ることで、全体の費用を抑えることができます。
郊外の霊園を検討する
都市部に位置する樹木葬はアクセスがいい一方で、費用が高くなりがちです。
そのため郊外の霊園を検討することで、費用を抑えることができます。
合祀型の樹木葬にする
あまりこだわりが無いという方は、合祀型を優先して検討するとよいでしょう。
個別埋葬型と比較するとおよそ30万円ほど安く抑えることができます。
まとめ
樹木葬は旧来の一般墓と比べて墓石を用意しなくていいため、費用を安く抑えることが可能です。ただ一方で、これまで何十年と継続されてきた檀家などの旧来方法と相いれないものも多いものです。里山に眠ることができて素敵だから、費用が安いからだけで決めてしまうのは、その後の家族との交渉を考えても早計です。
見学を広く受け入れているところも多いので、まずは一度現地を訪問するところから初めてみましょう。そのうえで樹木葬を希望していることを家族にしっかりと伝え、納得して貰ってから本格的な準備に移行する。そのように段階的に進んでいきたいものですね。
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【樹木葬】とは?選び方や費用、種類や埋葬方法を徹底解説いたします